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名古屋地方裁判所 昭和62年(わ)1816号 判決 1988年5月17日

本店所在地

愛知県春日井市鳥居松町六丁目二八番地

丹野工業株式会社

(右代表者代表取締役 丹野譲)

本店所在地

北海道苫小牧市字糸井三九三番地七四

丹野工業株式会社

(右代表者代表取締役 丹野譲)

本籍

東京都豊島区巣鴨五丁目三〇番地一

住居

愛知県春日井市弥生町一丁目一四番地

会社役員

丹野譲

昭和三年七月二八日生

本籍

北海道札幌市北区北二六条西二丁目二二番地

住居

同市東区北三三条東三丁目二番一〇号 ラポート三三 四〇五号室

無職(元会社役員)

竹内幹雄

昭和七年九月一日生

右の者らに対する各法人税法違反被告事件につき、当裁判所は、検察官北島孝久出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。

主文

被告人丹野工業株式会社(本店の所在地 春日井市)を罰金三〇〇〇万円に、被告人丹野工業株式会社(本店の所在地 苫小牧市)を罰金三〇〇〇万円に、被告人丹野譲を懲役二年に、被告人竹内幹雄を懲役一年六月に処する。

この裁判の確定した日から、被告人丹野譲に対し四年間、被告人竹内幹雄に対し三年間、それぞれその刑の執行を猶予する。

訴訟費用は被告人竹内幹雄の負担とする。

理由

(罪となるべき事実)

第一  被告人丹野工業株式会社は愛知県春日井市鳥居松町六丁目二八番地に本店を置き、製缶及び配管工事を業とするもの、被告人丹野譲は前同社の代表取締役としてその業務全般を統括しているもの、被告人竹内幹雄は前同社の取締役としてその経理業務全般を統括しているものであるが、被告人丹野譲及び同竹内幹雄は、共謀の上、前同社の業務に関し、法人税を免れようと企て、架空仕入を計上するなどの方法により、所得の一部を秘匿した上

一  昭和五八年八月一日から昭和五九年七月三一日までの事業年度における前同社の実際の所得金額が四一八一万六二三三円であり、これに対する法人税額が一五七九万円であるのに、昭和五九年九月二六日、愛知県小牧市大字小牧字東浦一九五〇所在の小牧税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一一四三万三四二八円であり、これに対する法人税額が二六七万四九〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、被告会社の右事業年度における正規の法人税額との差額一三一一万五一〇〇円を免れ

二  昭和五九年八月一日から昭和六〇年七月三一日までの事業年度における前同社の実際の所得金額が三二六一万五七一二円であり、これに対する法人税額が一一五八万六六〇〇円であるのに、昭和六〇年九月三〇日、前記小牧税務署において、同税務署長に対し、所得金額が二三〇九万九六五〇円であり、これに対する法人税額が七四七万四二〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、前同社の右事業年度における正規の法人税額との差額四一一万二四〇〇円を免れ

三  昭和六〇年八月一日から昭和六一年七月三一日までの事業年度における前同社の実際の所得金額が六七三〇万六二一二円であり、これに対する法人税額が二六四一万八一〇〇円であるのに、昭和六一年九月三〇日、前記小牧税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一七八八万七〇四一円であり、これに対する法人税額が五〇五万九一〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、前同社の右事業年度における正規の法人税額との差額二一三五万九〇〇〇円を免れ

第二  被告人丹野工業株式会社は北海道苫小牧市字糸井三九三番地七四に本店を置き、製缶及び配管工事を業とするもの、被告人丹野譲は前同社の代表取締役としてその業務全般を統括しているもの、被告人竹内幹雄は前同社の取締役としてその経理業務全般を統括しているものであるが、被告人丹野譲及び同竹内幹雄は、共謀の上、前同社の業務に関し、法人税を免れようと企て、架空仕入を計上するなどの方法により、所得の一部を秘匿した上

一  昭和五八年八月一日から昭和五九年七月三一日までの事業年度における前同社の実際の所得金額が一一八九万九一三二円であり、これに対する法人税額が四〇七万九五〇〇円であるのに、昭和五九年九月二七日、北海道苫小牧市旭町三丁目四番一七号所在の苫小牧税務署において、同税務署長に対し、所得金額が八一一万五三四五円であり、これに対する法人税額が二四五万六一〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、被告会社の右事業年度における正規の法人税額との差額一六二万三四〇〇円を免れ

二  昭和五九年八月一日から昭和六〇年七月三一日までの事業年度における前同社の実際の所得金額が一億三六七四万三七六六円であり、これに対する法人税額が五八一〇万七七〇〇円であるのに、昭和六〇年九月三〇日、前記苫小牧税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一三三八万三三八一円であり、これに対する法人税額が四七一万八七〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、前同社の右事業年度における正規の法人税額との差額五三三八万九〇〇〇円を免れ

三  昭和六〇年八月一日から昭和六一年七月三一日までの事業年度における前同社の実際の所得金額が一億五五八四万六五九九円であり、これに対する法人税額が六六三二万円であるのに、昭和六一年九月二七日、前記苫小牧税務署において、同税務署長に対し、所得金額が三七二二万〇〇八七円であり、これに対する法人税額が一四九六万六七〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、前同社の右事業年度における正規の法人税額との差額五一三五万三三〇〇円を免れ

もって、いずれも不正の行為により法人税を免れたものである。

(証拠の標目)

判示全部の事実につき

一  第一回公判調書中の被告人丹野譲及び同竹内幹雄の供述部分(ただし、被告人丹野については法人の代表者としての供述を含む。)

一  被告人丹野譲の検察官及び大蔵事務官に対する各供述調書

一  被告人竹内幹雄の検察官及び大蔵事務官に対する各供述調書

一  熊谷孝二、丸山嘉夫の検察官及び大蔵事務官に対する各供述調書

一  杉座睦子の大蔵事務官に対する各供述調書

判示第一号の各事実につき

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書説明資料(検甲5号証)

一  検察事務官作成の電話聴取書(検甲6号証)

一  登記官澤真澄作成の各登記簿謄本

判示第一の一の事実につき

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(検甲2号証)

一  大蔵事務官作成の証明書(検甲7号証)

判示第一の二の事実につき

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(検甲3号証)

一  大蔵事務官作成の証明書(検甲8号証)

判示第一の三の事実につき

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(検甲4号証)

一  大蔵事務官作成の証明書(検甲9号証)

判示第二の各事実につき

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書説明資料(検甲18号証)

一  登記官遠藤勝雄作成の各登記簿謄本

判示第二の一の事実につき

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(検甲15号証)

一  検察事務官作成の報告書(検甲19号証)

判示第二の二の事実につき

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(検甲16号証)

一  検察事務官作成の報告書(検甲20号証)

判示第二の三の事実につき

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(検甲17号証)

一  検察事務官作成の報告書(検甲21号証)

(法令の適用)

一  罰条及び刑の選択

被告人丹野工業株式会社両名 各法人税法一六四条一項、一五九条一項(判示第一、第二の各所為)(ただし、被告人丹野工業株式会社《本店所在地 苫小牧市》に関しては判示第二の二、三の各所為につき法人税法一五九条二項を付加)

被告人丹野譲、同竹野幹雄 各刑法六〇条、法人税法一五九条一項(判示第一、第二の各所為)いずれも懲役刑を選択

一  併合罪処理

被告人丹野工業株式会社両名 刑法四五条前段、四八条二項

被告人丹野譲、同竹野幹雄 各刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の最も重い判示第二の二の罪の刑に法定加重)

一  執行猶予

被告人丹野譲、同竹内幹雄 各刑法二五条一項

一  訴訟費用

被告人竹内幹雄 刑訴法一八一条一項本文

よって主文のとおり判決する。

(裁判官 澤田経夫)

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